構造物の長寿命化対策支援します

 ●わが国の社会資本ストックの現状

わが国の高度成長期(19551973年)に建設された道路構造物は、全橋梁数の40%、全トンネル数の約25%を占めている。

建設後50年以上経過の高齢化した橋梁、トンネルは、現在の4倍に達する。下の図表は我が国の現状を示している。

 

建設後50年以上の構造物の推移

●荒廃するアメリカの教訓

1980年代のアメリカでは、1930年代の世界恐慌を克服するニューディール政策により大量に建設された道路構造物の老朽化に対応できず「荒廃するアメリカ」と呼ばれる道路ストックの荒廃を招いた。

原因は、1970年代半ばから1980年代の初めにかけて、二度にわたるオイル危機の中、経済成長率が鈍化する経済状況化であり社会資本投資額の落ち込みにあった。

道路ストックの荒廃を克服するため、1983年以降、停滞する経済の中で、税率を引き上げることで財源を確保し、道路投資額を拡充したが、未だに欠陥橋梁は残っている。

わが国は、この教訓を他国の出来事と考えることなく、現在の状況及び10年後の状況を想定した施策が必要である。

●更新時代に対応した道路施策の考え方

高度成長期に多数建設された道路構造物は、老朽化が進んできており、補修・更新にかかる財政的負担が飛躍的に増大するとともに、一度完成した道路構造物を補修・更新工事には社会的影響が大きくなる。

既設構造物の長寿命化には、以下に示す施策が必要になる。

施策の内容

①補修・更新費用の平準化・最小化

・損傷の早期発見・定量的把握のための点検(定期点検、日常点検等)

・点検、評価・予測の技術開発(重要度評価、劣化予測、対策方法等)

・アセットマネージメントシステムの構築

・長寿命化、メンテナンスフリー化の技術開発

②社会的影響の少ない計画・工法

・計画的な道路ネットワークの整備による補修・補強時の代替ルートの確保

・交通規制、住民生活等に支障の少ない補修・補強技術の開発

 

  支援項目

既設構造物の長寿命化は、わが国の社会資本を維持し社会経済の発展に寄与する大切な事項であり早急な対応が必要です。

構造物長寿命化の支援項目として、下記の項目の支援をいたします。

・橋梁データ作成要領

・点検による損傷の見分け方

・補修・補強事例集及びLCC(Life Cycle Cost)の考え方

 

【参考文献】

・更新時代に対応した道路政策の考え方(平成14624日)国土交通省

なお、お問い合わせ等はご遠慮なく担当の中尾(masanori-nakao@hb.tp1.jp)宛てにお願いします。

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